南北問題の本質

 南北問題の本質は、19世紀以来、不平等な国際分業体制の下で、原燃料供給地として発達した南の熱帯・亜熱帯の国々が、先進工業国と対等の地位に立つことをめざして、北の先進国との経済関係調整に乗り出したことにある。

 この経済関係調整の手段としては、いままで北に輸出していた天然資源に対する自国主権の確立、この資源を自国で利用する工業化、工業化のための設備財輸入をまかなう一次産品輸出所得の安定化と援助、などがある。

 これらは、ほとんどが北の植民地であった南の国々が、第二次世界大戦後独立を達成したのに引き続き、経済的植民地化にすすみだすための手段である。

 南の国々は、国連貿易開発会議(UNCTAD)設立のイニシアチブをとり、南北交渉をすすめる場とした。
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